ポートフォリオという言葉を聞いて様々な反応が返ってくるのはなぜでしょうか?それはポートフォリオという言葉が幅広い分野で使用されているためです。

そこで今回は、ポートフォリオという言葉にはどのような意味があるのか、また金融・投資分野におけるポートフォリオの作成方法について詳しく解説していきます。

ポートフォリオとは

ポートフォリオとは、どのような意味があるのか、また語源は何なのかについて詳しく見ていきましょう。

ポートフォリオの意味

ポートフォリオという言葉には、「折カバン」「書類入れ」といった意味があります。つまり、「書類を運ぶために使用するケース」のことです。

「書類を収納するのであれば、バインダーやファイルもポートフォリオに含まれるの?」と考える人もいるかもしれませんが、バインダーやファイルは資料ごとに保管するものであるため、若干の違いがあります。

書類を分けたりするのではなく、書類全体を1つのものとして扱い、それを運びながら出し入れできるケースと考えると分かりやすいと言えます。

ポートフォリオの語源

ポートフォリオは英語で「Portfolio」と書き、イタリア語の「Portafoglio(ポルタフォリオ)」が語源です。

Portaには「運ぶ」「支える」「保つ」という意味があり、Foglioは「紙」や「紙幣」を指します。つまりPortafoglioは「財布」を意味するイタリア語で、これが語源となり「Portfolio」という英語が生まれたのです。

ポートフォリオの語源

業界によってポートフォリオの意味は異なる

英語で書類ケースを指すポートフォリオという言葉ですが、使う業界によって意味が大きく異なります。

そこで、金融・投資分野、教育分野、クリエイティブ分野の3つの分野に分け、それぞれの意味をご紹介します。

金融・投資分野でのポートフォリオ

金融・投資分野におけるポートフォリオは、投資家の保有資産の構成状況を指します。

運用できる資産には株式投資や外貨預金、不動産投資、金投資などがあり、それぞれでリスク・リターンの大きさや市場の動きが異なります。特定の資産の割合が高くなると、急な市場変動などが生じた際に多大なリスクを被る恐れがあるため、複数の資産を組み合わせる「分散投資」という方法が推奨されています。その際に使用するのがポートフォリオです。

例えば、定期預金20%、金投資20%、株式投資20%、金投資20%、投資信託20%というように分散投資を行った場合、ポートフォリオを作成することで構成状況が一目で把握できます。また運用状況の確認も容易で、バランスよく運用できているかを判断する指標にもなります。

教育分野でのポートフォリオ

教育分野では、ポートフォリオは個人の評価ツールとして用いられています。

個人を総合的に評価するにはテストの結果だけでなく、学習の過程で生徒が作成したレポートや日常の取り組み姿勢を映した動画・写真など多くの判断材料が必要です。これらをファイリングして評価に役立てることをポートフォリオと言います。結果に至る過程も含めて評価できる方法で、生徒が自身を客観的に見て自己評価するためのツールとしても活用されています。

クリエイティブ分野でのポートフォリオ

クリエイティブ分野では、ポートフォリオは「作品集」としての意味を持ちます。

自身の実績や力量を判断してもらうために作成する資料のことで、就職・転職する際、企業によっては履歴書や職務経歴書と合わせて提出を必須条件としているところもあります。さらに、営業資料や会社案内の補完資料としても活用されており、「私はこんな作品を作っていました」「こんなものも作ることができます」と一目でアピールすることができます。

ポートフォリオに決まったフォーマットはなく、パンフレットやポスター、書籍の表紙などをまとめたものをポートフォリオとして提示するケースもあれば、Web上でホームページなどを作成して作品を紹介するケースもあります。どちらを選ぶ際も、デザインや構成などを工夫し、伝えたいことが明確に伝わるポートフォリオに仕上げることが大切です。
クリエイティブ分野でのポートフォリオ

金融・投資分野でのポートフォリオの作成方法

金融・投資分野でのポートフォリオとは、分散投資を行うことができているかの判断指標とご紹介しました。では、具体的にはどのようなポートフォリオを作成すればいいでしょうか?ポートフォリオを作成する際のポイントは以下の3つです。

  • 分散投資を取り入れる
  • 長期的な視点を持つ
  • 投資スタイルを考慮する

それぞれのポイントについて詳しくご紹介します。

分散投資を取り入れる

分散投資と言っても、やみくもに分散して投資していれば問題ないというものではありません。

例えばA社、B社、C社の3社の株式を保有していた場合、株式が値下がりすることで3社とも影響を受けてしまいます。また株式と不動産、債券というように資産を分散した場合も、投資対象が全て国内のものとなれば景気の悪化により多大な損失を被ることになります。

そうならないよう、ポートフォリオを作成する際は投資対象のバランスを考えることが大切です。債券と投資信託というように資産を分散するのはもちろん、同じ株式でも国内株式と海外株式を組み合わせたり、値動きの異なる業種の株式を組み合わせたりと工夫しましょう。多種多様な運用方法を組み合わせてリスクを分散させることが、ポートフォリオ作成のポイントの1つです。

長期的な視点を持つ

ポートフォリオを作成する際は、投資に使える現金全てを一度に金融商品に変える必要はありません。一度に投資すると不測の事態が生じた際のリスクも高くなるため、一部を手元に残しておき、タイミングを見極めた上で投資するなどの工夫が必要です。

このように投資するタイミングを分散させるのも分散投資の1つで、長期的に運用を行うことでリスクの軽減につながります。

投資スタイルを考慮する

ポートフォリオを作成する際は、何をどれだけ組み入れるかによってリスクとリターンが大きく異なります。

例えば、預金や債券などはローリスク・ローリターンですが、投資信託や不動産投資などはミドルリスク・ミドルリターン、株式投資やFXなどはハイリスク・ハイリターンです。さらに国内の商品か海外の商品かによってもリスク・リターンの大きさには差があり、投資対象によって運用結果は大きく異なります。

「万が一の損失を最小限に抑えたい」、「できる限りリターンを大きくしたい」など、投資スタイルを明確にした上でポートフォリオを作成することもポイントの1つです。

ポートフォリオは年に1回見直す

ポートフォリオは、1度作成したら終わりというわけではありません。その時の経済状況やライフスタイルなどに合わせて投資額の割合を調整することが重要です。例えばライフスタイルの変化により運用に割ける時間が少なくなった場合、株価の変動を常にチェックしておかなくてはならない株式投資の割合を減らし、手間の少ない投資信託の割合を増やすなどの調整が必要と言えます。

見直す頻度は、年に1回程度を目安にしましょう。定期的にポートフォリオの見直しを行い、運用結果を分析することで、よりリスクを抑えながら安定した資産運用が実現します。

まとめ

ポートフォリオには、本来「書類ケース」という意味があります。様々な要素をひとまとめにしたもので、自身の取り組みを客観的に見るためのツールとしても役立てることができます。

金融・投資分野におけるポートフォリオは、自身が保有する資産の一覧、また資産の組み合わせのことです。分散投資を成功させるために欠かせないもので、うまく管理することでリスクを抑えながらハイリターンが狙えます。上記のポイントを押さえた上で作成し、年に1度は見直しを行いましょう。

 
~プロフィール~
矢野翔一
関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。

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