資産運用には、株式投資やFX、不動産投資などの運用方法がありますが、どれもリスクが高いため、手が出ない人も多いのではないでしょうか?そこで登場するのがリスクの低い国債という資産運用です。

今回は、国債とはどのようなものなのか、その特徴とメリット・デメリットのほか、現在の利回りについて詳しく解説していきます。

国債ってどんなもの?

国債とは、国が発行する国庫債券の略称です。国は、発行した国債を購入してもらうことで、国家の運用資金を賄います。

国債は、発行時に設定されていた金利を半年に1回受け取ることができるほか、満期時には元本が返還されるという仕組みです。

債券には、国債以外にも企業が発行する社債がありますが、社債は企業が破綻してしまうと返ってこない可能性があります。国債も同様のリスクを負っていることになりますが、国が破綻するのは余程の事態であるため、ほぼ元本割れしないと言えるでしょう。

日本の国債と世界の国債の利回り比較

日本を含めた主要国の10年国債利回り(2018年12月18日現在)は以下の通りです。

 
~アジア~

  • 日本:0.02%
  • オーストラリア:2.42%
  • ニュージーランド:2.44%
  • 香港:2.00%
  • シンガポール:2.16%
  • 韓国:2.00%
  • インド:7.42%

 
~アメリカ・中南米~

  • アメリカ:2.84%
  • カナダ:2.04%
  • ブラジル:9.63%
  • メキシコ:8.84%

 
~ヨーロッパ・中東・アフリカ~

  • ドイツ:0.25%
  • イギリス:1.26%
  • フランス:0.73%
  • イタリア:2.95%
  • スペイン:1.40%
  • オランダ:0.41%
  • ポルトガル:1.64%
  • ギリシャ:4.30%
  • スイス:-0.24%

「日本の国債を購入するよりインドやブラジル、メキシコの国債を購入した方が得する」と思った人もいるかもしれませんが、利回りが高い国は、国家が破綻するリスクが高いことを意味しているため、それらを考慮しながら国債投資を行う必要があると言えるでしょう。
日本の国債と世界の国債の利回り比較

個人向け国債とは

国債は、基本的に機関投資家しか直接購入することができないため、個人が国債を購入する場合には、投資信託などを通して間接的に購入することしかできませんでした。

しかし、個人向け国債は、新たに個人が購入できるように発行された国債のことで、購入が個人に限定されているのが特徴です。また、国家が発行している債券であるため、安心して運用できるのも大きな特徴と言えるでしょう。

個人向け国債のメリット

個人向け国債は、国家が発行しているため安心という時点で十分なメリットと言えますが、他にどのようなメリットがあるのでしょうか?個人向け国債のメリットは以下の通りです。

  • 最低金利が保証されている
  • 途中解約が認められている
  • 元本が割れることはない

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

最低金利が保証されている

個人向け国債は、経済環境などによって実勢金利が下落した場合でも、年率0.05%の最低金利が保証されています。個人向け国債のプランは、固定金利の3年と5年、変動金利の10年の全部で3種類です。

固定金利は、発行時の金利が満期まで維持されるため、もし発行時に0.10%だった金利が最低金利の0.05%に低下したとしても設定年数は0.10%が適用されます。

また、変動金利は、半年ごとに適用金利の見直しが行われるため、もし発行時に0.50%の金利だったとしても半年後に0.10%になっていれば、その金利が適用されます。

どのプランを選択しても、最低金利が保証されているため、安心して運用できると言えるでしょう。

途中解約が認められている

機関投資家向けに発行されている国債は、契約期間を満了するまでは途中解約ができない仕組みになっています。しかし、個人向け国債は、発行してから1年以上経過した場合には換金可能です。

もし、途中換金できない場合には、急な生活資金が必要になってしまった場合に困るため、ある程度の金額しか個人向け国債に回すことができません。

しかし、1年以内に使う予定のない資金であれば、運用に回しても1年後に解約できるため、運用に回す金額を増やすことができます。

途中解約した場合でも、直前2回分の各利子(税引き前)相当額×0.79685が差し引かれるだけで、それ以上ペナルティはないため、安心して運用できると言えるでしょう。

元本が割れることはない

満期時における元本の返却のほか、半年ごとの利子の支払いも、国家が責任を持って行ってくれます。また、最低金利保証と同様、経済環境などによって実勢金利が変動した場合でも、元本部分の価格は変動しないため、元本が割れることはありません。

元本保証まで付いているかというとそれは別の話になります。国債の利回りのところでも金利が高い国は破綻のリスクが高いということについて触れました。つまり、いくら国家が発行している国債と言っても、国が破綻してしまえば、誰も元本を保証してくれません。

現在の日本の財政状況や経済状況を考えても、破綻状態とは程遠いと言えるため、ほとんど元本が割れないだけでなく、元本保証されている状況に近いと言えるでしょう。
元本が割れることはない

個人向け国債のデメリット

個人向け国債には、最低金利の保証が付いているほか、途中解約が認められているといったメリットがありましたが、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?主なデメリットは以下の通りです。

  • 金利が他の運用よりも低い
  • 購入から1年は資金が拘束される

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

金利が他の運用よりも低い

最低金利が0.05%と保証されていますが、この0.05%という金利はどうなのでしょうか?例えば、似たようなものに銀行預金がありますが、メガバンクの普通預金の金利と比べると、0.001%程度なので高いとは言えます。

しかし、店舗を構えずに経費を削減して金利を高く維持しているネットバンキングなどの金利と比べると、あまり大差はなく、定期預金に関してはネットバンキングなどの方が高い金利を維持できているのが現状です。

また、元本割れのリスクなどを抱えている株式投資や投資信託でも、配当金や分配金目的で投資する場合には、数%の配当金が期待できることを考えると、金利が低いと言えます。

リスクを抑えることを優先するのか、ある程度のリターンを得ることを優先するのか、よく考えてから運用した方が良いと言えるでしょう。

購入から1年は資金が拘束される

一般の国債は、満期まで解約できませんでしたが、個人向け国債は、途中解約が認められていることについてはメリットで触れましたが、すぐ解約できるわけではなく1年は資金が拘束されてしまいます。

例えば、小さなお子さんを抱えている家庭の方が個人向け国債を検討する際は、進学などで急な費用が必要になる可能性があるので、ある程度の自己資金を残しておく必要があると言えます。

また、住宅ローンの返済などを抱えている人の場合には、奥さんの妊娠などで稼ぎが減り、一時的に貯金を崩しながら生活しなければならない可能性も否定できません。

それらのことを踏まえると、途中解約までのたった1年のことですが、何らかの出費を伴う可能性がある場合には、多くの資金を投資できないため、あまりお勧めできないと言えるでしょう。

まとめ

国債とは、国が発行する国庫債券ことで、国債を購入してもらうことによって、国家の運用資金を賄います。

国家が発行しているということから、元本が保証されているわけではありませんが、破綻のリスクはほぼないと言えるため、実質元本保証の付いている資産運用の手段と言えます。

個人向け国債には、最低金利が保証されているほか、1年経過後は自由に途中解約できる、元本割れしないことがメリットですが、他の資産運用の金利の方が高い、最低1年は資金が拘束されることがデメリットです。

メリットとデメリットなどを全て考慮した上で、国債を購入するかどうかを決めるようにしましょう。

 
~プロフィール~
矢野翔一
関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。

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