資産運用に興味があるものの、まとまった資金を準備できないなどの理由から資産運用を諦めている方も多いのではないでしょうか?資産運用はある程度まとまった資金が必要と思っている方も多いかもしれませんが、積み立て投資であれば少額から運用を行うことが可能です。

そこで今回は、積み立て投資とはどんなものか、その特徴とメリット・デメリットについて解説します。

積み立て投資とは

積み立て投資とは、毎週または毎月といったように、定期的に一定額ずつ資産形成を行っていくという投資方法です。株式投資や不動産投資のように、積み立て投資という資産運用の方法が存在するというわけではありません。

積み立て投資は、基本的に投資信託を定期的に一定額ずつ購入することを意味しています。株式投資は最低でも数十万円の資金が必要ですが、投資信託は100円から投資できるため、手軽に取り組みやすい運用方法と言えるでしょう。

積み立て投資のメリットとは

積み立て投資が投資信託などを定期的に一定額ずつ購入する資産形成の方法であることはわかりましたが、どんなメリットがあるのでしょうか?積み立て投資におけるメリットは以下の3つです。

  • 少額から運用できる
  • リスク軽減につながる
  • 運用を続けやすい

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

積み立て投資のメリットとは

少額から運用できる

積み立て投資のメリットの1つ目は少額から運用できるということです。株式投資や投資信託の一括投資の場合には、最低運用単位が決まっているため、ある程度まとまった資金を用意できないと運用を開始できません。

しかし、積み立て投資は、積み立て投資を扱っている業者で異なりますが、最低100円から資産運用が可能です。自身の懐事情に合わせて運用額を決められることが大きなメリットです。

リスク軽減につながる

積み立て投資のメリットの2つ目はリスク軽減につながるということです。価格の変動が生じる資産運用には、価格変動のリスクを必ず伴います。価格は景気動向や企業業績、為替相場、地政学的要因などさまざまな影響によって変動します。

業績が安定している企業の株式に投資してもテロなどで地政学的リスクが高まると価格が下落するため、リスク対策をしっかり行っておくことが重要です。積み立て投資は、以下の2つのリスク軽減効果が期待できます。

  • ドルコスト平均法によるリスク軽減
  • 分散投資によるリスク軽減

それぞれのリスク軽減効果について見ていきましょう。

ドルコスト平均法によるリスク軽減

ドルコスト平均法とは、一定額ずつ定期的に金融商品を購入していく投資方法のことです。ドルコスト平均法を用いた運用を行うと、価格が安いときには多くの口数を購入でき、価格が高いときには少ない口数を購入することになります。

一括投資の場合は、価格が高いときに購入すると、口数が少なくなるほか高値掴みのリスクが高くなります。しかし、ドルコスト平均法を用いた分散投資の場合は、購入のタイミングを分散することによって高値掴みのリスクを軽減することが可能です。

分散投資によるリスク軽減

分散投資とは、国内だけでなく国外の株式、債券などの複数の金融商品に分散して投資する投資方法のことです。資産運用を行う際の格言に「卵は1つのカゴに盛るな」というものがあります。

例えば、株式投資だけを行っていて株式投資にマイナスの影響を与える情報が発信された場合には、影響を1点に受けてしまうことになります。つまり、いくら複数の企業に投資を行っていても株式投資という1つのカゴに盛っているため、落とすと割れてしまうということです。

しかし、株式投資だけでなく株式投資と反対の値動きをしやすい債券にも分散して投資を行うと、カゴが分かれているので一方が落ちても影響を最小限に抑えることが可能です。

運用を続けやすい

積み立て投資のメリットの3つ目は運用を続けやすいということです。資産運用と聞くと「情報収集を行わなければならない」「タイミングを考慮しながら売買を繰り返さなければならない」など、手間がかかるという印象を抱いている方も多いと思います。

しかし、積み立て投資はこれらの手間がかかりません。毎月の積立金額と買付日、買付する商品を決めれば、自動で買付を行ってくれます。最初だけ商品を決める必要がありますが、それ以外は自動で手間を省けるため、運用を続けやすいのが特徴です。

運用を続けやすい

積み立て投資のデメリットとは

積み立て投資には「少額から運用できる」「リスク軽減につながる」「運用を続けやすい」といったメリットがありましたが、どんなデメリットがあるのでしょうか?積み立て投資におけるデメリットは以下の3つです。

  • 手数料などのコスト負担が大きい
  • 短期間では利益が期待できない
  • 元本割れする可能性がある

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

手数料などのコスト負担が大きい

積み立て投資のデメリットの1つ目は手数料などのコスト負担が大きいということです。積み立て投資の対象である投資信託は、自身で投資を行うのではなく、投資のプロに運用を任せるのでさまざまな手数料が発生します。

例えば、販売手数料と呼ばれる投資信託を購入する際にかかる手数料、信託報酬と呼ばれる投資のプロに運用を委託する際にかかる手数料、信託財産留保額と呼ばれる途中解約した場合の手数料です。

自身で株式投資を行う際は、売買時の手数料程度しかかからないことを考えると、積み立て投資はコスト負担が大きいと言えます。

短期間では利益が期待できない

積み立て投資のデメリットの2つ目は短期間では利益が期待できないことです。積み立て投資では、少しずつ保有する金融商品の量を増やしていくため、投資額が大きくなるまでに時間がかかります。また、積み立て投資はドルコスト平均法によるリスク軽減が期待できる一方で、価格が高いときにも購入することになるので取得価格が高くなります。

一括投資であれば、価格が安いときにある程度のまとまった金額を購入して高いときに一気に売却するので、大きな利益が期待できます。積み立て投資は、長期間積み立てを行うことで福利効果が発揮され、次第に得られる利益が大きくなる運用方法なので短期間ではあまり利益が期待できないでしょう。

元本割れする可能性がある

積み立て投資のデメリットの3つ目は元本割れする可能性があるということです。例えば、銀行預金は、金融機関が破綻した場合でも預金保険機構によって1,000万円までの元本とその利息が保証されます。

しかし、積み立て投資の投資対象である投資信託は元本が保証されていません。そのため、運用資金を下回る可能性があるほか、最悪の場合には0円になる可能性もあるので注意が必要です。

特に、アメリカといった先進国投資を含む商品やインドといった発展途上国を含む商品を運用する場合には、価格変動が大きくなるので元本割れのリスクが高まります。価格変動のリスクが比較的低い債券の割合が多い商品にするなど、元本割れしないようにするための対策が重要です。

まとめ

生活資金の足し、子どもの教育資金や老後の生活費を貯めるなどの目的で資産運用に興味はあるものの、ある程度資金が必要になるためなかなか資産運用を開始できない方もいます。しかし、積み立て投資は少額から開始できるため、誰でも気軽に資産運用を行うことが可能です。

積み立て投資は「リスク軽減につながる」「運用を続けやすい」などのメリットがある一方、「短期間では利益が期待できない」「元本割れする可能性がある」などのデメリットがあります。選択した商品によってリターンや元本割れのリスクが異なってくるため、商品選択をしっかり行うようにしましょう。

~プロフィール~

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。

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