資産運用にリスクはつきものですが、やはりできるだけリスクは避けたいもの。金融商品によってはリスクが低いものもありますが、中にはどのような金融商品を選べばいいか分からないという方もいるかもしれません。投資を始めたばかりの方や、安全に資産運用をしたいという方におすすめなのが、元本保証のある金融商品です。

そこで今回は、資産運用に伴うリスクと、元本保証が付いている資産運用の方法について詳しく解説します。

資産運用のリスクとは

資産運用のリスクとは
資産運用には株式投資やFX、不動産投資など様々な種類がありますが、どの資産運用にもリスクがあります。種類によってリスクの程度が異なるため、リスクを抑えるためにもどのようなリスクがあるのかをあらかじめ把握しておくことが重要です。

資産運用の主なリスクは以下の通りです。

  • 価格変動リスク
  • 金利変動リスク
  • 信用リスク
  • 為替変動リスク
  • カントリーリスク

それぞれのリスクについて詳しくご紹介します。

価格変動リスク

価格変動リスクとは、株式や債券などの金融商品の価格が変動するリスクです。

株式の価格が変動する要因には、企業の業績などが挙げられます。このほか世界情勢の影響も受けるため、運用をする際には幅広い情報に耳を傾けておく必要があります。

金利変動リスク

金利変動リスクとは金融商品の価値が変動するリスクで、主に債権で生じます。

例えば金利1%の国債を所有している時、好景気になって金利2%の国債が発行されると、そちらに乗り換えようとする人が増えて金利1%の国債の価値が下がります。逆に、金利2%の国債を所有している時に景気が悪くなって金利1%の国債が発行されると、金利2%の価値は上がります。

金利によって金融商品の価値に変化が生じることを覚えておきましょう。

信用リスク

信用リスクとは、貸付先や投資先の財務状況の悪化などを理由に、投資した資産の回収遅滞や資産価値の減少などが生じるリスクです。債券や株式など幅広い金融商品がこのリスクと隣り合わせにあります。

例えば、国が発行している国債は基本的に元本割れしないイメージがありますが、国債を発行している国が財政難などに陥ると債務不履行となり、利息だけでなく元本も失ってしまう可能性があります。

また株式も同様に、発行している企業の経営状況が悪化して上場廃止になると株式の価値がなくなり、元本を失ってしまうこともあるため注意が必要です。

為替変動リスク

為替変動リスクとは、日本円と外貨との間で為替変動が生じるリスクのことです。購入や売却、利息の支払いなどが外国の通貨で行われる「外貨建て」の金融商品に主に生じます。

外貨建ては為替変動の影響を受けやすいため、大きなリターンが期待できる反面、リスクも大きくなります。また為替変動以外のリスクもあり、例えば外貨建てで株式を購入していた場合、為替変動だけでなく株式の価格変動の影響も受けてしまいます。

外貨建ての金融商品や、為替変動の影響を受けやすい金融商品を運用する際は、為替変動に影響を与える国の信頼度なども確認しておくことをおすすめします。

カントリーリスク

カントリーリスクとは、投資対象国や地域の情勢によって価値が変動するリスクのことです。株式や債券、為替など、幅広い金融商品に影響を与えます。

財政難や地域紛争などで国の信頼度が低下した場合には、外貨が下がるほか、債務不履行に陥る可能性が高くなります。国が発行している債権と言っても、財政破綻に陥った場合には保証されることはほとんどないため、金利の高い債券などを購入する際には十分注意しましょう。

元本保証とは

元本保証とは、資産運用を行うにあたって拠出した運用資金が保証されることです。例えば100万円で金融商品を購入した場合、元本である100万円は必ず返ってくると保証されます。

元本保証の中には、運用によって生じた利息まで保証しているものもあります。金融商品によって保証内容はそれぞれ異なっているため、事前にチェックしてから運用を始めましょう。

元本保証が付いている4つの金融商品

元本保証が付いている金融商品は運用リスクを抑えられるため、投資初心者でも安心して資産運用ができます。元本保証のある主な金融商品は、以下の4つです。

  • 銀行預金
  • 個人向け国債
  • 貯蓄型保険
  • 公社債投資信託

それぞれの金融商品について詳しくご紹介します。

銀行預金

ほとんどの方が当たり前のように口座を開設して貯金を行っているため、「銀行預金も資産運用に含まれるの?」と疑問に思う方も多いかもしれませんが、銀行預金も資産運用の1つに含みます。なぜなら金融機関は預金者の貯金を資金に運用を行っており、その運用結果が金利として反映されているからです。

銀行預金の普通預金や定期預金は、預金保険機構によって1金融機関あたり1,000万円と利息までが保証されています。これらは1金融機関ごとに設定されているため、もし1,000万円以上の預金がある場合には、金融機関を分けて預金すると実質の保証額を増やすことができます。

なお全額保証というわけではなく、外貨預金は保証の対象外です。

個人向け国債

国債は、個人としてではなく法人形態で投資を行っている機関投資家などに向けて発行されているため、個人が直接購入することは基本的にできません。しかし、国債には個人が購入できる「個人向け国債」も用意されています。

個人向け国債には3年、5年の固定金利と10年の変動金利があり、最低金利保証が付いています。また1年経過すれば途中解約することも可能で、途中解約しても利息分にのみペナルティが課されるので、元本は影響を受けません。

元本保証とは記載されていませんが、「元本保証されない=国家が破綻」ということなので今の日本にはほとんど無縁と言えるでしょう。

貯蓄型保険

貯蓄型保険とは、満期時や解約時に元本以上のお金を受け取れる保険のことです。加入中に万が一の事態が発生した場合は、保険金が支払われます。

しかし、元本保証は絶対ではありません。満期型は途中解約によって元本割れを起こす可能性があるほか、解約型も返礼率の低い時期に解約すると元本割れを起こす可能性があります。また保険会社が破綻した場合は元本が保証されないため、加入する際には慎重に検討しましょう。

公社債投資信託

公社債投資信託とは、国債や地方債といった公社債のみで構成されている投資信託のことです。国債と同様、元本保証と記載されているわけではありませんが、「元本保証されない=公の機関が破綻」ということを意味するためほとんど元本保証に近いと言えます。

しかし、中には海外の公社債を含んでいる投資信託もあります。海外の公社債は、為替変動の影響を受けるほか破綻のリスクが高いものもあるため、公社債投資信託を選ぶ際には事前確認を行うことが大切です。

リスクとリターンのどちらを選ぶか

リスクとリターンのどちらを選ぶか
元本保証のある金融商品はリスクが低く、リターンも小さいというデメリットがあります。そのため、資産運用である程度のリターンを期待するなら、相応のリスクも負わなければなりません。

投資初心者の方やこれから投資を始めようと思っている方、気長に資産運用をしたいという方は、リスクの低い元本保証のある金融商品がおすすめです。途中解約できないなどの制約もありますが、運用期間が長く設定されており、比較的安定した資産運用が可能です。

さらに、金融商品を1つに絞るのではなく、複数の金融商品を運用する「分散投資」を行うことで、1つ金融商品の価格が下がっても他の金融商品が上がることでリスクを分散できるだけでなく、ある程度のリターンも期待できます。

金融商品を選ぶ際は、リスクを負って短期間で資産を増やしたいのか、リスクを抑えてコツコツと気長に資産を増やしたいのかをよく考えてみましょう。

まとめ

資産運用には様々なリスクがありますが、元本保証が付いている金融商品は資産運用に回した資金が回収できるため安心です。とはいえ、何があっても100%元本が保証される投資は存在しません。リスクを少しでも抑えることを重点に投資を行うなら、国や公的機関など信頼できる発行元の金融商品を購入することをおすすめします。

リスクとリターンは表裏一体の関係です。どのような目的で資産運用を行いたいのかをよく考え、自身のライフプランと照らし合わせながら金融商品を選びましょう。

 
~プロフィール~
矢野翔一
関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。

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