ソーシャルレンディングと社債は、貸付型の金融商品であるため、大きな違いはありません。しかし、リターン面はソーシャルレンディングの方が高いため、ソーシャルレンディングを検討している方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、ソーシャルレンディングを安心して始められるように、覚えておくべき運用リスクと攻略法について解説します。

ソーシャルレンディングのリスクとは

銀行預金や株式投資、ソーシャルレンディングなど、様々な資産運用の方法がありますが、どの運用方法を選んでも必ず何らかのリスクを伴います。リスクの内容は、運用方法ごとにそれぞれ異なりますが、ソーシャルレンディングにはどんなリスクがあるのでしょうか?ソーシャルレンディングの主なリスクは以下の4つです。

  • 融資先の詳細が分からない
  • 元本保証がない
  • 途中解約できない
  • 早期償還による分配金変動がある

それぞれのリスクについて詳しく見ていきましょう。

融資先の詳細が分からない

ソーシャルレンディングのリスクの1つ目は融資先の詳細が分からないということです。なぜなら、ソーシャルレンディングが貸金業法に該当して規制を受けるためです。

株式投資の場合には、自分が投資しようとしている企業の情報をしっかり調べた上で投資できます。しかし、ソーシャルレンディングは貸金業法上の規制によって、どの企業に融資しているのか分かりません。

融資先の詳細が分からない

「不動産開発を手掛けている企業」という業態は分かっても、企業名や資本金といった基本情報は全く分からないので注意が必要です。

元本保証がない

ソーシャルレンディングのリスクの2つ目は元本保証がないということです。ソーシャルレンディングは、元本保証付き案件以外には元本保証が付いていません。

例えば、銀行預金は預金保険機構によって元本部分の1,000万円までとその利息の保証を受けられるため、金融機関が破綻しても安心です。

しかし、ソーシャルレンディングで元本保証が付いていない案件の場合には、融資先が破綻すると元本を回収できなくなるので注意が必要です。

途中解約できない

ソーシャルレンディングのリスクの3つ目は途中解約できないということです。一般的にソーシャルレンディングで解約できるのは投資期間が満了したときだけです。

例えば、個人向け国債は投資期間が3年・5年・10年と分かれていますが、どの投資期間を選んでも投資を開始してから1年経過した後は自由に解約できます。

しかし、ソーシャルレンディングは「急にお金が必要になった」というケースでも途中解約できないため注意が必要です。

早期償還による分配金変動がある

ソーシャルレンディングのリスクの4つ目は早期償還による分配金変動があるということです。ローンに繰上返済があるのと同様、ソーシャルレンディングにも繰上返済があります。

例えば、ソーシャルレンディングの融資先が金融機関などから融資を受ける目途がついた場合には、金融機関の方が低金利であるので借り換えによる一括返済を行います。

一括返済が行われるということは、投資家にとって元本部分の早期償還が行われることになるため、悪いことではありません。しかし、早期償還によって、本来得られるはずだった分配金が減ってしまう可能性があるので注意が必要です。

ソーシャルレンディングの攻略法4選

ソーシャルレンディングは通常の社債より得られるリターンが多いことから注目を集める一方、「融資先の詳細が分からない」「元本保証がない」などのリスクもあるので注意が必要です。

では、どうすればリスクを抑えられるのでしょうか?ソーシャルレンディングの攻略法は以下の4つです。

  • 分散投資を心掛ける
  • 案件の内容を確認する
  • 担保カバー率を調べる
  • ソーシャルレンディング業者を調べる

それぞれの攻略法について詳しく見ていきましょう。

分散投資を心掛ける

ソーシャルレンディングの攻略法の1つ目は分散投資を心掛けるということです。一部のソーシャルレンディングの案件は元本保証が付いていますが、多くは元本保証がないため、元本割れのリスクを伴います。

貸金業者がリスクを抑えながら経営できている理由は、小さな融資額を複数の人に対して融資を行っているためです。そうすることによって、もし回収不能の融資が生じた場合でもトータルで利益を出せる体制を整えています。

そのため、ソーシャルレンディングを攻略するには、貸金業者を参考に1つの案件に対して集中投資を行うのではなく複数の案件に対して分散投資を行うのが有効と言えるでしょう。

案件の内容を確認する

ソーシャルレンディングの攻略法の2つ目は案件の内容を確認するということです。株式投資とは異なり、ソーシャルレンディングは貸金業法に該当するため、融資先の情報を入手できません。

ソーシャルレンディングを手掛けている業者は、全てが貸金業法に該当しているため、記載内容に多少の差はあっても融資先の確定につながる情報は得られません。「じゃあ利回りで案件を選んでいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、限られた情報から安心して融資できる案件を見つけることが重要です。

例えば、「元本保証付きの案件」「担保が設定されている案件」などを選んでおけば、万が一融資先が破綻した場合のリスクを軽減できます。案件を1つずつ厳密に確認して、確実性の高い案件を選ぶことが重要と言えるでしょう。

担保カバー率を調べる

ソーシャルレンディングの攻略法の3つ目は担保カバー率を調べるということです。担保カバー率とは、担保評価額を融資予定額で割ることによって求められます。

担保カバー率が100%を超える案件は万が一破綻による貸し倒れがあった場合でも、担保を売却することによって資金を回収できる可能性があります。一方、担保カバー率が100%を下回っていると、全てを回収できるわけではないので注意が必要です。

不動産投資を手掛けている案件などの場合は、不動産の価値が変動するため、担保カバー率通りになるとは言い切れないので注意しましょう。

ソーシャルレンディング業者を調べる

ソーシャルレンディングの攻略法の4つ目はソーシャルレンディング業者を調べるということです。「ソーシャルレンディング業者が手掛けている案件を確認すれば十分では?」と思った人もいるかもしれませんが、それだけでは不十分です。

例えば、上場企業やベンチャーキャピタルなどから融資を受けている企業の場合には管理体制が良くないとそのような条件を満たすことはできないため、信頼性が高いと言えます。

資金管理体制の甘い業者の場合には、投資家の資産と会社の資産の分別管理をしっかりと行っておらず、業者が破綻した際に出資金が返ってこないか可能性もあります。分別管理が原則ですが、それをきっちり行っているかどうかは、外部からでは簡単に判断できないので注意しましょう。

ソーシャルレンディング業者を調べる

まとめ

ソーシャルレンディングは、利回りが高いだけでなく、元本保証の付いている案件や担保が設定されている案件もあるため、比較的リスクが低いと言えます。

しかし、ソーシャルレンディングは貸金業法による規制の影響で、融資先の情報を全て公開できるわけではありません。情報が少ない中で、リスクを左右する重要な鍵を握るのは業者です。なぜなら、業者が案件の選別を行っているためです。

「分散投資を心掛ける」「案件の内容を確認する」なども重要ですが、業者が信頼できるかどうかもソーシャルレンディングを攻略する上で重要と言えるでしょう。

~プロフィール~

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。

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