ソーシャルレンディングの投資先は、どのように選んでいけば良いのでしょうか。確実な方法というのは確立されていませんが、損失に対して備えることは可能です。そのやり方を、ソーシャルレンディングの仕組みから見て考えていきましょう。

ソーシャルレンディングはまだ日が浅い資産運用

ソーシャルレンディングは、2002年にイギリスで個人間の融資を対象としたサービスを、知り合い同士を限定として開始されました。その後、2006年に知らない人も融資対象となるサービスが開始され、2008年に日本でもソーシャルレンディングが取り入れられるようになります。

国内では10年、始めてイギリスで開始された当初から見てもまだ16年と、まだまだ始まったばかりの新しい資産運用の形です。国内でまだ10年ほどしか経っていませんが、現在ソーシャルレンディングを扱う業者は20社以上です。市場が拡大した背景にはリーマンショックの影響があると言われています。世界的金融危機であるリーマンショック以降、銀行は融資の申請審査を厳重化し融資が受けられない事業者が増えてしまったことに原因があります。ソーシャルレンディングは銀行と比べて審査が厳しくなく、その代わり貸付金利は大きくなっていますが、融資を求めて申請する事業者が多いため年々市場が拡大していきました。

ソーシャルレンディングはファンド型の投資となっており、企業が立てたプロジェクトに「1口 ○万円~」というような形で投資をすることができます。貸付金利が高い分投資家が得る利回りは高いため、多くの投資家が利益を求めて投資を始めています。

投資先に安全性を求めるなら

投資に100%安全なものがあるとは言えませんが、投資を行う際は少しでも損失を回避したいと考えると思います。投資の利益と安全性が、どのような関係にあるのか見ていきましょう。

投資先は利率の高い投資先を選ぶべき?

ソーシャルレンディングの投資先は、利率が高いほどリスクが上がると言われています。利率が高ければその分だけ利回りを得ることができますが、最悪貸し倒れ(デフォルト)の危険性も伴います。利回りを得るどころか、元本まで失ってしまうところに注意が必要です。逆に利率の低いプロジェクトは、リスクが低いと言われています。

それでも利率は3%以上あることも珍しくなく、銀行などと比べてかなり高い数値です。投資に安全性を求めるなら利率の低いほうが定石ですが、利益を上げたいのなら利率の高いプロジェクトに投資しましょう。その場合はどのようなプロジェクトの利率が高く、どのようなプロジェクトの利率が低いのか特徴を知っておきましょう。

高利率投資

  • 長期投資で海外のプロジェクトが多い
  • 貸し倒れのリスクがある
  • 為替によっては元本割れのリスクもある

10%以上の投資は海外のプロジェクトが多く、為替によるリスクも増えます。国内投資の場合は管理がさほど難しくありませんが、海外投資の場合は国内投資と比べて為替変動などもあるため管理が複雑化してしまいます。

1ドル=100円のときに利率が10%のプロジェクトに10,000ドル投資し、利回りが発生するときになって1ドル=90円と大きく円高になったときの利回りは年間90,000円。元本も1ドル=90円で返ってくるため結果手元に残るのは990,000円となります。投資したときは1,000,000円投資したはずなのに、レートの変動でこのような損失を受けることも考えられます。

低利率投資

  • 国内の短期投資が多い
  • 不動産プロジェクトが多いため担保がある
  • リスクが低いがないわけではない

低利率のプロジェクトは、日本国内のプロジェクトが多く3%~7%の間のプロジェクトが多くあります。国内のプロジェクトは不動産を取り扱うものが多く、担保があるプロジェクトも存在します。

そう多くはありませんが国内にも10%以上で長期投資の案件はあり、ソーシャルレンディング業者の実績を見て投資をしてみるのも良いでしょう。

ファウンディング ピックアップ

国内と海外の投資先はここがおすすめ

ソーシャルレンディング業者は国内外のプロジェクトを扱っている業者もあれば、海外のプロジェクトを専門に取り扱っている業者もあります。国内と国外で、業者はどこを利用したら良いのかおすすめを2件ずつ紹介します。

国内プロジェクト

・SBI Social Lending

SBIソーシャルレンディングは、2010年に設立され2018年現在運用元本は200億円超、登録者人数が20,000人を突破している国内でも規模の大きいソーシャルレンディング業者です。SBI証券の子会社でもあるため、投資などに精通している信頼度の高い業者でもあります。

取扱プロジェクトの特徴

国内の不動産担保ローンを中心に、年利は3%~10%でプロジェクトの融資募集を行っています。投資最低額は1万円からで、利益は毎月分配されています。

貸し倒れ(デフォルト)の累計も、今のところ0円とプロジェクトの安全性も高く、ソーシャルレンディング業者としても質が高い業者だと言えます。

参考:SBIソーシャルレンディング

・maneo

国内で始めてソーシャルレンディングを始めた業者で、国内ではトップクラスの規模の業績を持つソーシャルレンディング業者となっています。最近は改善されていますが、2018年7月に行政処分が行われておりサイト内でも内容の説明されている文章が確認できます。

取扱プロジェクトの特徴

国内外問わず多くのプロジェクトを有しており、ホテル・事業支援・不動産と様々なプロジェクトがあります。2015年4月以降は貸し倒れもなく、2018年7月に受けた処分以外は大きな問題もないようです。

参考:maneo(返済実績より参照)

海外プロジェクト

・CROWD CREDIT

南米・アフリカ・ヨーロッパなどの新興国に対して小口の債券を扱う、ソーシャルレンディング業者です。

取扱プロジェクトの特徴

様々なプロジェクトが多いですが、運用期間が7ヶ月~36ヶ月と期間がまばらです。運用1年以上のプロジェクトが多く、運用が長いほど利率も高くなる傾向にありますがリスクも伴うため、選ぶときには慎重さが要求されます。

・AMERICAN FUNDING

アメリカの不動産を中心に取り扱う、ソーシャルレンディング業者です。募集取扱はmaneoを通じて行われています。

取扱プロジェクトの特徴

アメリカの不動産に特化しているのが特徴で、運用期間は日本国内と同じ様に3ヶ月~12ヶ月の運用期間のプロジェクトが多くあります。利率は8%~10%と高くなっており、利回りは為替によっては高くなると考えられます。

投資法とリスク分散の考え方

複利運用

複利運用とは、投資などで得た利益を使わずに再度投資に回して、更に利益を得る投資スタイルのことを指します。例えば年利10%のプロジェクトに1,000,000円投資したら、翌年の同月には手元に1,100,000円あります。設けは100,000円ありますが、その100,000円を含め再度投資を行うのが複利運用です。
手元にある資金を倍にするためには、「72の法則」というものを意識してみましょう。これは、利率と運用期間をかけて72になると手元にある金額が倍になるという法則です。10%の利率で1,000,000円を2,000,000円にする場合は、複利運用で7~8年の運用で達成できる計算になります。3%の利率なら24年と、長期運用の予定があるなら意識してみましょう。

ラダリング

ラダリングとは、複数のプロジェクトの期間をずらして組み合わせて投資する方法です。期間をずらして組み合わせることで、数ヶ月ごとに投資の満期を迎えられるように設定ができ、組み合わせによって複利運用を効率よく回転させることができます。

投資先を分散する理由

ラダリングのように、分散して投資するのはリスクを回避する意味合いもあります。1箇所に集中して投資を行うと、もしそのプロジェクトが貸し倒れを起こしたときは投資資金が全て失われてしまう可能性があります。1,000,000円投資予定の場合は100,000円を10箇所に分散するなど、リスク回避の対策をとりましょう。

チャートとスマホ

リスクの存在

分散投資などで投資リスクに対して対処していても、リスクは必ず存在します。その中でも、大きなリスクと対応の考え方を紹介したいと思います。

事業者リスク

ここまで本文の中で、貸し倒れ(デフォルト)に関して記述させてもらいましたが、このリスクはどうしても予測するのが難しいリスクです。リスクが大きいから高利回りの利益が上げられると考えることもできますが、今のところリスクが大きすぎるとも考えられるでしょう。国内・海外のプロジェクト問わず、2018年8月現在は投資先の事業者が公開されないため、判断材料も少なく投資家には不利に働いています。2018年6月、金融庁より投資家向けに公開するように通達があり、今後はリスクヘッジもスムーズに進むことが予測されています。

長期運用はリスクが伴う

1年以上の長期運用は、金融危機のリスクが考えられます。リーマンショックのような世界的金融危機は、市場全体に大きなダメージを与えますがそのときにならないとどこまで危機的状況だったのか一般の人には判断できません。それに、ソーシャルレンディングは株やFXのように途中で引き上げることができず、満期まで待たなければいけません。その途中で貸し倒れも十分に考えられるため、ソーシャルレンディングに投資するときは半年~1年以内が被害を受けにくいという意見もあります。

リスクへの対応

分散投資のように、リスクへの考え方を知っていればある程度の対処をすることができます。国内と海外のリスクに対して、最低でも知っておきたい2つの対処を紹介します。

  • 担保付き案件

担保のあるプロジェクトが頓挫した場合は、担保の抵当権はソーシャルレンディング業者側にあり、投資家へは担保にしている物件を売却し返済されます。担保やリスクを考えれば、国内のプロジェクトで担保がついているところに投資する方が、リスクは回避・軽減できるかもしれません。

  • 為替ヘッジ

為替ヘッジとは、円高などで利益が減少してしまう前に対策をとることを指します。為替に関するリスクを避ける1番の手段は海外へ投資しないことですが、もし海外への投資を始めようと思うなら為替予約で対策をとりましょう。為替予約は、あらかじめレートの金額を決めて取引を行います。円安になったときの利益は得られませんが、円高のときの損失は防げます。

投資先はリスクと安全性を天秤にかけよう

ソーシャルレンディングの投資先は、利率と安全性が天秤にかけられている状態です。利率が高ければ安全性は低く、安全性が高ければ利率は低くなります。どれが確実に利益を上げられるかは、ほとんど分かりませんが、投資はリスクを回避できるようにあらかじめ対策はとっておきましょう。

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