高い利回りで投資家の注目を集めている方法が、「ソーシャルレンディング」です。しかし、当然のことながらメリットだけではなくデメリットもあるため、リスク対策に注目して運用する必要があります。ここでは、ソーシャルレンディングの詳しいリスクと、その対策方法をご紹介します。

ソーシャルレンディングで貸し倒れは起きるか?

投資で特に避けたいリスクと言えば、貸し倒れ(デフォルト)。まずは、ソーシャルレンディングで貸し倒れが発生する可能性と、その対策方法についてご紹介します。

貸し倒れのリスクとは

ソーシャルレンディングには、元本保証がありません。そのため、借手企業が融資金を返済しきれなくなった場合、元本割れが発生したり最悪のケースでは貸し倒れが発生したりするリスクがあります。また、借手企業だけではなく、ソーシャルレンディング事業者自体の業績が悪化する可能性も考慮しなければなりません。

借手企業だけではなく、運営事業者の倒産が発生した場合でも、元本は保証されません。現在、ソーシャルレンディング事業者で経営破綻が発生したケースはありませんが、将来的なリスクに備えておくために、信用できる事業者を選ぶことが大切です。

信用できる事業者の選び方

貸し倒れのリスクが低いソーシャルレンディング事業者を選ぶためには、4つのポイントがあります。

1.業界大手のサービスであること

上場企業によって運営されていたり運営期間が長かったりと、信頼の置ける大手事業者を選びましょう。

2.これまでの運用実績

それまでの融資金額と、利回り額の推移を確認してみましょう。まずは小口の投資から始め、実際の利回りやサービスの質・対応に問題がないことを確認するのもおすすめの方法です。

3.代表者の経歴

短期間で資金を集め、計画破綻を狙う悪質な企業の場合、意図的に代表者の情報を伏せている場合があります。言い換えれば、会社情報で代表者の氏名や以前の経歴が確認できれば、ある程度信用できると言って良いでしょう。ただし、ホームページに代表者情報を掲載する義務はありません。悪質ではない企業でも載せていない可能性もあるため、あくまで1つの目安にしてください。

4.過去に大きなトラブルの有無

法人向けの貸し倒れや返済遅延の発生が多くないか、行政処分を受けていないか、あるいはその後に改善がみられるかといったことを確認する必要があります。

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ソーシャルレンディングのリスクとは

ソーシャルレンディングのリスクは、貸し倒れだけではありません。失敗を避けるために、どのようなリスクがあるのか確認していきましょう。

リスク1.途中解約がしづらい

ソーシャルレンディングは、基本的に契約を結んだ後、途中解約することはできません。そのため資金の流動性が低いというリスクがあり、すぐに現金化したい場合には不向きです。ソーシャルレンディングに投資する際には、期間と資金のバランスを考慮して行う必要があります。

リスク2.融資先の情報が分かりにくい

ソーシャルレンディングの融資先は基本的に匿名であるため、投資家にとっては詳しい情報を得られません。これは投資家が借手企業の情報を詳しく知っている場合、実質的に投資家が企業へ貸付けを行っている状態になってしまうため、それを防ぐための仕組みです。こうした仕組みがあるため、投資家は融資先の財政状態を判断して案件を選べないというリスクがあります。

ただし、2018年6月17日付の日経新聞によると、金融庁はソーシャルレンディングの借手企業名を2018年中に開示できるようにする方針を打ち出しているようです。そのため、今後の情勢によってはこのリスクも解消される可能性があります。

リスク3.返済遅延が発生する可能性

貸し倒れは発生していなくても、返済遅延が発生する可能性があります。借手の返済が滞ると、投資家への分配も滞ることになるため、特に注意が必要です。

ただし、遅延中も金利だけは返済されている場合もあり、遅延が発生しても毎月の金利は投資家に分配されるケースもあります。またソーシャルレンディング事業者によっては遅延損害金を徴収し、投資家に分配することもあるため、結果的には金利が多くなることもあり得ます。

リスク4.期限前に完済する可能性

借手企業が早期返済・繰り上げ返済により、期限前に完済する可能性があります。ソーシャルレンディングの利益は、期限いっぱいの利息を元に計算されているため、早期返済の場合、リターンが小さくなることも問題です。例として、元本10万円で返済期限が12ヶ月、利回りが10%の場合、本来なら1万円の配当が期待できます。

しかし、期間の半分である6ヶ月で返済が終わった場合は、配当金も半分である5,000円しか得られません。元本を失うわけではないため一概にリスクとは言い切れませんが、予定していた額の利息が受け取れないことや償還された元本の次の投資先を見つける必要があります。そのため、あらかじめ早期返済も念頭に置くことが必要です。

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ソーシャルレンディングのリスクを回避する方法

これまでご紹介してきたリスクを踏まえて、ソーシャルレンディングのリスクを回避する対策方法をご紹介します。

分散投資する

ソーシャルレンディングのリスク対策で1番重要なことは、分散投資を心がけることです。ソーシャルレンディングに限ったことではありませんが、投資先を分散させてリスクを最小限に抑える必要があります。例えば、50万円の資金を8%の利回りで投資したい場合、利回り7~9%の案件5つに10万円ずつ投資するといった工夫が必要であり、1つの案件に資金を投入するのではなく複数の案件に少額ずつ投資しましょう。

また、注意点として、同じソーシャルレンディング事業者の中で違うファンドを選択した場合、同じ借手企業が含まれているケースがあります。こうしたケースにより資金が集中してしまうことを避け、さらに事業者自体が経営破綻するリスクも考慮して、複数のソーシャルレンディング事業者に分散させるのも良いでしょう。

投資期間は短くする

期間の長さも、リスクを上昇させる要因です。投資期間が長ければ、それだけ利息が支払われる期間も長くなりますが、元本が手元に戻ってくるのも遅くなります。また、その間に、借手企業の経営状況が変化する可能性もあります。そのため、安定を求めるのであれば、ソーシャルレンディングの投資期間は短く区切るほうが安全です。かといって短すぎる期間では、十分なリターンを確保することが難しくなります。リスクとリターンを考慮に入れた上で、適度に短い期間を選ぶことが重要です。

事業者の手数料も考慮する

返済遅延・貸し倒れのリスクを下げるためには、金利の高さを考慮することが必要です。金利が高ければ、それだけ返済が困難になることが予想できます。注意点として、借手企業が支払う金利は、投資家が受け取る金利に、ソーシャルレンディング事業者が手数料を上乗せした額であるということです。手数料が高い事業者は、リスクが高いということを計算に入れて選びましょう。

償還方式の違いを考慮する

ソーシャルレンディングの分配方式は、「元本一括方式」と「元利均等方式」、そして「満期一括方式」の3種類があります。

【元本一括方式】

毎月利息を支払い、元本は期間満了時に一括で償還する方式です。ソーシャルレンディングでは最も広く採用されています。
【元利均等方式】

毎月利息と元本の一部を支払う方式です。毎月元本が還ってくるためリスクを最小限に抑えられますが、その代わりに利回りの低さや、計算のしにくさといったデメリットがあります。
【満期一括方式】

元本・利息ともに期限満了後に支払う方式です。他の方式と違い毎月の分配がありませんが、その分ファンド側の運用がしやすくなるため、その他の好条件が用意されている可能性があります。

まとめるとリスクの高さは、満期一括方式>元本一括方式>元利均等方式の順です。それぞれの違いを意識し、メリットとデメリットを踏まえた上で選択しましょう。特に、多くのソーシャルレンディング事業者が元本一括方式を採用しているため、他の2種類を選びたいときは、意識的に事業者を選択する必要があるので、分配方式以外の条件も見据えながら慎重に選びましょう。

投資に回す資金を選り分ける

期間内は自由に現金化ができないため、手元にある程度の資金を確保しておく必要があります。すぐに現金化が必要な資金は、現金や預金として置いておくか、株式などの現金化がしやすいものに回すほうが無難です。ソーシャルレンディングには、しばらく手をつける予定がない資金を投入する必要があります。また投資先の分散という観点からも、ソーシャルレンディングだけにこだわりすぎず、いくつかの投資先を確保しておくと良いでしょう。

国内向けのファンドを選ぶ

ソーシャルレンディングは国内向けファンドだけではなく、海外向けファンドも利用することができます。国内向けと比較したときのメリットは、融資先の豊富さや、金利が高い新興国の企業に投資できることです。

一方、海外向けのファンドには、為替リスクがあるため注意が必要で、円高の場合、得られる利息が減ってしまう可能性もあります。ソーシャルレンディング事業者を選ぶなら、国内の借手企業に融資を行う事業者を選ぶ、もしくは、為替レートの変動によらない為替予約が利用できる事業者を選びましょう。

SBIソーシャルレンディングの貸し倒れや延滞について

貸し倒れのリスクについて、ここまで解説してきました。ここからはSBIソーシャルレンディングの貸し倒れや延滞の現状について紹介していきます。。

貸し倒れ・返済遅延の有無

結論から言うと、貸し倒れや延滞は発生しています。実際に公式サイトにも記載されていますが、「デフォルトした貸付元本(累計)」の欄が0ではないことが明記されている項目があります。こちらを確認いただくことで、オーダーメード型ローンファンド、個人向け無担保ローンの項目で貸し倒れが発生している事がご理解いただけるかと思います。

該当する貸し倒れの案件は、2011年〜2013年頃までに運用していたファンドで、内容は「個人向けローンファンド」です。「SBISL借換ローンファンド」と「SBISLフリーローンファンド」という商品が貸し倒れを発生させていました。

これらは主に個人への借換を目的とした貸付事業で、確認する限りおよそ500万円近くの貸し倒れ・返済遅延などが発生してしまっています。

当然のことながら、貸し倒れや返済遅延はあってはならない事です。ましてや投資詐欺などもってのほかですが、こうした過去の失敗を元に現在の状況はかなり好転しているようです。

現在の運営体制について

過去には前述のような失敗のあるSBI ソーシャルレンディングですが、現在の運営体制はどのようになっているのでしょうか。まず、過去に問題となっていた「個人向けローンファンドの取り扱い」は完全に終了しています。これは大きな変化と言えるでしょう。そして、比較的貸し倒れの可能性が低い「事業性ローンファンド」のみを取り扱う事でより安全性と信頼性の高い運用が出来る体制を整えています。

現在、遅延案件については、「SBISL不動産バイヤーズローンファンド16〜22号」ファンドの一部の借手からの利息の支払いについて遅延案件が発生しています。

担保物権の売却及び、債権回収会社への譲渡を徐々に行い、債権回収を行なっています。

安定した投資でリスクを回避しましょう

ソーシャルレンディングには、貸し倒れや返済遅延などのリスクがあります。一方で絶対に無いとは言い切れませんが、可能性を下げる方法は沢山用意されています。なにより高い利回りが魅力的な投資方法ですから、このページでご紹介してきたリスク対策を参考にして、利益の安定化を確保した上で、投資を始めましょう。

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