手持ちの資金や不動産などの資産を活用することで、利益を得るのが資産運用です。先進国と比較して、日本では資産運用への関心が低いと言われています。しかし、最近では銀行預金の利息低下や、比較的運用しやすい投資商品の増加によって、資産運用への意識も高まってきました。

そこで、資産運用の種類や特徴、また「お金が減るのでは?」と不安を抱いている方に向けて、リターンとリスクについてもお伝えしていきます。

資産運用の基本を知ろう

資産運用についての基本的なことや、メリット・デメリットなどについて解説していきます。

資産運用とは?

資産運用とは、所有している資産を運用し、利益を上げることでその資金を増やす、または不動産収入などを得ることです。実際に資産運用をしている人は多く、30~40代の男性500人を対象に実施したアンケート調査によると、61%の人が資産運用を行っているという結果が出ています。

参考:実践者が語る「資産運用のきっかけ」TOP5 | 東証マネ部!

資産運用には種類がありますが、私たちの身近なものだと、保険や定期預金も資産運用に含まれます。そこで、具体的な種類と特徴について見ていきましょう。

国債

国が発行する債券のことを国債と言い、投資家からお金を借用する際に使用されます。元本保証はありませんが、預金より金利が0.05%と若干高く、国が破綻してしまうリスクも低いので、ローリスク・ローリターンの資産運用です。

預金

銀行口座に預金を預けると、金利に応じて利息が付与されます。しかし、かつて2%近くあった金利も最近では良くて0.15%となり、0.01%前後の銀行がほとんどです。そのため、預金での資産運用でのリターンはごくわずかとなります。

株式投資

上場企業が発行している株を購入し、その株を株価に応じて売買します。それによって発生したリターンや配当金を受け取ることで、手持ちの資産を増やす資産運用です。

【リターン】株価に大きな変動があった際に売買を行うと、より大きな額のリターンが得られる

【配当金】企業の決算や利益などに応じて受け取ることができ、好調な場合、所有株の数によって配当金の利回りも高くなる

外貨預金

日本と外国では金利が異なりますが、日本円よりも外国の通貨の方が金利は高い傾向があるので、もらえる利息も多くなります。また、円高・円安の価格変動に注目し、タイミングを見極めて外貨を日本円に払い戻しすることで、利益が得られます。

投資信託

投資信託とは、ファンドマネージャーが投資家から資金を集め、運用を代行します。そのため、「資産運用をしたいけど、知識が浅い」という投資家に活用されています。金融商品と呼ばれる投資信託は数種類に分けられ、目標金額や許容できるリスクによって、自分に適した種類を選ぶことができます。

不動産投資

一軒家やマンションを所有し、その物件や部屋を貸して家賃収入を得るのが不動産投資です。投資を始めるには不動産を所有する必要があるので、準備としての初期費用の額は数千万円にのぼることもあります。しかし、借り手が見つかることで、毎月安定した家賃収入を得ることができます。

メリット、デメリット

資産運用の種類や特徴を理解し、うまく活用することで、手持ちの資金を増やしていくことができるメリットがあります。ただ、利益を得られないだけでなく、損失してしまうデメリットもあります。

例えば、株価の変動や金融商品が市場などの影響を受けることで起こる価格の変動は、利益を生む反面、暴落した場合には損失してしまう可能性が高くなります。そして、債券の場合だと、金利の変動によって価値も変動するケースもあります。さらに、国や企業が経営難に陥ってしまったら、元本の保証や支払われるべき利息が得られないというリスクも発生することが考えられます。

リスクの種類

  • 価格変動リスク
  • 金利変動リスク
  • 為替変動リスク
  • 信用リスク
  • カントリーリスク

リスクとリターンの関係

資産運用をする場合には、常にリスクとリターンの関係がついて回ります。よく「ハイリスク・ハイリターン」という言葉を耳にするかと思いますが、リスクとは収益の変動の幅を指しています。

例えば、株式は価格の変動が大きく、投資した資金である元本が割れてしまう可能性があります。そのリスクが大きい反面、うまくいけば大きな利益、ハイリターンが期待できます。国債などのリスクの小さな資産運用も可能ですが、その場合は「ローリスク・ローリターン」となり、得られる利益も小さくなります。

預金通帳とATM

銀行に預けるのはなぜNGか?

ローリスク・ローリターンを代表するものとるのが、銀行口座への預金でしょう。しかし、銀行に預金を入れたままにしておくことは、あまりおすすめできません。理由はまずローリターンという点ですが、銀行利息はとても低く、利益はほぼ見込めないからです。これだけなら資産に変動がないだけだと思うかもしれませんが、実はインフレリスクを含んでいるため、おすすめできないです。

インフレリスクについて

インフレが起きて日本円の価値が下がると、預金しているお金の価値も下がります。日本円の価値低下に対して、物価は上昇します。例えば、インフレの影響によって1個100円の商品が、200円に上がった場合で考えてみましょう。手持ちの1,000円で10個購入できていたものが、半分の5個しか購入できなくなります。これが100万円、1,000万円という高額になると、インフレリスクもより大きくなります。「インフレが起きた場合」という例を出しましたが、実際に政府は金融政策によって、インフレを起こす動きをしています。

手数料が増える可能性もある

また、銀行でかかる手数料と言えば、ATMの時間外利用で発生するものや、振込手数料がメインでした。しかし、今後の銀行の経営状況などによっては、口座を持っているだけで手数料が発生する可能性もあります。そのため、活用していない資金を銀行に眠らせておくより、資産運用を検討することをおすすめします。

資産運用を始めよう

実際に資産運用を始めるなら、把握しておきたいポイントをピックアップしましたので、それぞれをお伝えしていきます。

事前に把握・準備すること

ライフプランに合わせて考える

はじめに、「何を目的として資産運用をするのか?」を明確にすることが重要です。それは資産を増やしたい、収入を増やしたいという目的や、脱サラをしたい、老後のために資金を蓄えたいなど、人によって様々です。
それに加え、目標を定めることも重要です。「5年後までに150万円増やしたい」「定年する30年後までに1,000万円の資産が欲しい」という設定をし、それに向けて余剰資金の捻出や支出の見直しをします。

目的別・3つの資金

■1.流動性資金

生活する上で必要となる生活資金で、急な出費にも使うことができます。

■2.安定性資金

教育費や住宅購入費など、ある程度大きな金額を必要とする出費です。将来を考え、安定性を持って管理していきたい資金です。

■3.収益性資金

特に使用目的が決まっていない余剰資金のことで、これを活用して資産運用をしていくのが一般的です。

余剰資金を準備しよう

資産運用を始める収益性資金ですが、万が一、損失が出ても生活に影響を与えない余剰資金でスタートしましょう。

運用について

リスクを分散する

資産運用で避けられないのが、リスクの問題です。そこで、「分散投資」で他の金融商品にも投資を行うことで、損害を受けるリスクを分散することができます。

長期で運用する

「1年で資金を100万円増やしたい!」と考えても、短期間で大きな利益を上げることは難しいです。それが実現できる投資もありますが、ハイリスク・ハイリターンとなるので、あまりおすすめはできません。

例えば、元本100万円を用意し、年利5%の資産運用を行った場合、1年間で得られる利益は5万円です。大きなリターンはありませんが、10年、20年というスパンで考えるか、または利益を元本に足すことで翌年の利益をアップさせることもできます。

データとビジネスマン

おすすめしたいのは「ソーシャルレンディング」

資産運用の初心者にもスタートしやすいものとしておすすめしたいのが、「ソーシャルレンディング」と呼ばれる投資方法です。ソーシャルレンディングの業者に資金を貸し、そのお金をもとに、融資を受けたい企業へ貸付を行います。投資する側は、資金を貸すことで発生した利息を得ることができ、投資する会社によって差異はありますが、年利は4.0%~10.0%ほどあります。

また、ソーシャルレンディングは株式投資や外貨預金と異なり、市場や相場をチェックする必要がありません。1万円から投資ができるファンドも多く、「まずは資産運用を始めたい!」という方でもスタートがしやすいのが特徴です。ただ、投資に関する詳細は、同じソーシャルレンディングの業者でもファンドによって異なりますので、自分に最適なものを選ぶのがポイントです。

参考記事:ソーシャルレンディングに必要なコストと上手に節約する方法

資産運用のQ&A

Q.資産運用は大変では?

A.どのような手段で資産運用を行うかによって、異なります。株式投資や外貨通過は市場や相場の確認が必須ですし、不動産投資の場合は、不動産の購入などの事前準備がかなり重要です。ただ、国債の保有や業者に運用を任せるソーシャルレンディングは、少ない労力で運用することができます。

Q.失敗しないために必要なことは?

A.資産運用で失敗しないためには、自分の目的・目標に応じた運用を行うことです。また、大切なことは「資金を減らさずに、徐々に増やしていく」ということを念頭に置きます。そのためにも、長いスパンでの運用、資金増加を検討し、すぐに結果を求めないよう、事前にプランを立てましょう。

Q.利益の出やすいものとは?

A. 利回りに安定性があり、その金額が高いものだと利益は出やすくなります。ただ、利益の出やすいもの(ハイリターン)は、それなりのリスク(ハイリスク)を伴うこともありますので、運用する種類や商品を吟味することがポイントです。

Q.儲けが出た場合の税金は?

A.株式投資やソーシャルレンディングなどの資産運用で出た利益、譲渡益や分配金・配当金に20.315%(2017年現在)の税金がかかります。

リスクや特徴を理解して資産運用を行おう

資産運用のリスクについて不安を抱いている方でも、資産運用の種類や特徴、そして始める際に必要なポイントを知ることで、運用に踏み出すハードルを下げることができます。初心者にもはじめやすいソーシャルレンディングでも、当然リスクは伴います。それぞれのリスクを把握した上で、資産運用の目的・目標を明確にし、自分にとって最適な手段を選ぶことで、効率的に資産を増やすことができます。

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