すでに株やFXなどで投資を経験しているみなさんも、これから投資を始めようとお考えのみなさんも、気になるのは「利回り」の高さではないでしょうか?

よく聞く言葉ですが、多くの人が「利率」と混同しているようです。そこで今回は、改めて「利回り」について復習しながら、高利回りの投資方法として人気のソーシャルレンディングについても詳しくご紹介します。しっかりリスク管理をして、効率の良い資産運用を目指しましょう。

利回りとは

そもそも利回りと利率とは何が違うのでしょうか?計算式などで書くと複雑になるので、ここではあえて簡単にご説明します。

  • 利回り:投資した金額に対する1年あたりの収益割合のことで、複利運用商品に使われる
  • 利率:額面金額に対する1年あたりの利息割合のことで、単利運用商品に使われる

例えば、100万円のファンドをAさんが100万円で購入しました。このファンドの利率(1年あたりの利息の割合)は3%とします。すると、100万円の3%なのでその年の終わりにはAさんは3万円の利息が手に入ります。この場合は利回りも3%となり、非常にシンプルです。

しかし、このファンドをAさんがBさんに95万円で売却したとします。利率は変わることはないので3%のままです。すると、Bさんはその年の終わりに3万円の収益を得ますが、3万円を手に入れるために払った金額は元の100万円ではなく95万円です。つまり本来払うはずの5万円と、利息の3万円で、8万円の収益があったことになるのです。8万円を得るために使った金額がいくらか?というのが利回りの考え方です。この場合は、8万÷95万×100で、利回りは8.42%となります。Aさんが最初に買った時は利回り3%でしたので、大きく跳ね上がっていることが分かります。

このように、利回りは投資するファンドを選ぶ際の重要な指標となるため、しっかりと理解しておくことが大切です。

女性

使っていないお金は利回りを稼げるところへ投資

ある程度の年齢になれば、ほとんどの人が家を買うためや子育てのため、老後のためなどにそれなりの貯金をしています。しかし、日本人はほとんど貯金と保険にお金を回しており、投資で資産運用をしている人はごく一部という結果が出ています。預金口座に使っていないお金を預けておくだけでは、預貯金の金利は0.001%なので全く増えません。
当面使う予定がないお金ならば、利回りを稼げる場所にお金を移した方がお得だと言えるでしょう。
ここからは、預金口座に預けておくよりも利回りの良い資産運用の方法を4つご紹介します。

方法1:ソーシャルレンディングで分散投資

ソーシャルレンディングは、数年前から話題のクラウドファンディングの一種で、貸付型クラウドファンディングとも呼ばれます。株と違って、運用の手間がかからず最低投資額も少なく済むので、忙しいサラリーマンや投資初心者にもおすすめです。ソーシャルレンディングでの資産運用のコツは、ずばり「徹底した分散投資」だと言えるでしょう。

事業者の分散

ソーシャルレンディング投資における最大のリスクは事業者の倒産ですので、そのリスクを避けるために事業者を分散します。大手で人気のある事業者は安心できますが、どんなに信頼できる事業者でも一点集中はリスクが高いので避けましょう。

ファンドの分散

仮に1つのファンドで貸し倒れが発生しても、損失を最小限に抑えるために少額ずついくつかのファンドに投資するのが定石です。100万円を投資するなら、1個の案件に100万円注ぎ込むのではなく、10万円ずつ10個の案件に分散した方がリスクは低くなります。

テーマの分散

ファンドにはそれぞれ特色があり、不動産担保がついたものや、海外企業を融資の対象としているもの、再生可能エネルギー関連の事業など、実に様々な種類から選択可能です。一般的に不動産担保つきは信用性が高いと言えますが、そればかりに偏ってしまうと、リーマンショックのような不動産市場の大暴落が発生すればその損失は計り知れません。同じく、為替の影響を受けたり、政府の方針によって影響を受けたりするファンドもあるため、できるだけ偏りなく色々なテーマのファンドに投資するようにしましょう。

融資先の分散

ファンドやテーマを分散したつもりでも、実は融資先が同一という落とし穴があるのです。これらは気がつきにくいのですが、事業者によっては融資先に個別のアルファベットを割り当て、同一の融資先かどうか識別できるようになっている場合もあるので、サイトに掲載されている情報は隅々まで要チェックです。

方法2:ネット銀行で定期預金

銀行のネット支店やネット銀行で取り扱っている定期預金、いわゆる「ネット定期」は、大手都市銀行の普通預金や定期預金と比べて金利が高くなっています。以下は2018年7月時点で1年ものの定期預金の金利が最も高いネット銀行のランキングです。

1位・・・オリックス銀行「eダイレクト定期預金 インターネット取引専用定期預金」 0.25%

2位・・・じぶん銀行 0.20%、住信SBIネット銀行 0.20%

3位・・・静岡銀行インターネット支店「ウルトラ金利」 0.18%

4位・・・SBJ銀行 0.15%、ソニー銀行0.15%

5位・・・イオン銀行 0.05%
参考:定期預金の金利を徹底比較! – ダイヤモンド・オンライン

いずれも大手都市銀行の定期預金の金利である0.001%を大きく上回っています。大手都市銀行にも、信頼性の高さや、窓口での相談のしやすさ、出金のしやすさなどの魅力がありますが、振込手数料の安さや口座開設の手軽さなどはネット銀行の方が優れていると言えます。自分の生活パターンなども考慮し、預金先を変更することも考えてみると効率よくお金を増やすことができるでしょう。

方法3:投資信託で国際分散投資

投資信託とは、投資家が少しずつお金を出し合って、そのお金をプロのファンドマネージャーが運用する金融商品です。仕組みだけ見るとソーシャルレンディングと似ていますが、投資信託とソーシャルレンディングの間には明確な違いがあります。

1つは、流動性の有無です。投資信託は株式市場がオープンしている時間は価格が上下しており、日々相場が変動しています。一方、ソーシャルレンディングは一度投資を行った後は日々の価格の変動はありません。また、換金できるタイミングも異なります。「このままいくと損が出る」と危険を察知した際にすぐさま売却できる投資信託と違い、ソーシャルレンディングは運用期間が終了するまで換金することはできません。

さらにもう1つは、投資信託はそれ自体が分散投資の役割を果たしているので、自分で分散を行わなくてよいというメリットもあります。大損しにくい無難な商品として人気の「バランスファンド」を選べば、複合資産投資をほったらかしで運用できるので、初心者でも精神的な負担がない資産運用が可能です。

方法4:iDeCoで節税しながらお金を増やす

iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことで、簡単に言うと老後資金を自分で作るためのお得な制度です。60歳になるまで、毎月一定の金額で投資信託や定期預金などの金融商品を運用し、60歳以降に運用した資金を受け取ることができます。
積み立て中、運用中、年金を受け取る時に税制優遇があるのが最大の特徴で、所得がある人は住民税と所得税合わせて15~55%税金が安くなります。個人の年収や毎月の積立金によって節税額は変わってきますが、着実に老後資産を貯めつつ、確実に税金も取り戻すことができるので利回りは高いと言えます。

お金と電卓

ソーシャルレンディングの利回りは?

ここからは、おすすめの投資方法として始めにご紹介した、ソーシャルレンディングの平均的な利回りや、高利回り案件への投資リスクなどを詳しく見ていきましょう。

金融商品としての利回りの高さ

2015~2016年に2つのマネー雑誌が、あらゆる投資商品の利回りや最低投資額を一覧で掲載した記事がありました。その記事によると、ソーシャルレンディングの利回りは4~15%とされており、それよりも利回りが高いのはライフセトルメントとヘッジファンドだけという結果でした。

この2つは最低投資額が数百万円からの投資商品であるため、一般的な個人投資家が手軽に購入できる投資商品では、ソーシャルレンディングの利回りが最も高いということが分かります。実際、同年のソーシャルレンディング業界全体の平均利回りは8.1%と、比較的高利回りだったと言えます。

利回りの見方

ファンドの詳細ページに「利回り5%」「利回り8%」などと記載されているので、これを見れば素人でも投資効率が良いか悪いかを判断できます。

ただし、記載されているのはあくまで運用開始前の予想利回りであることと、記載されているのは年率ですが、ファンドによっては運用期間が1年未満の場合もあるので、その場合の運用期間に応じた利益の計算などは注意が必要です。また、分配されるお金は源泉徴収税が引かれているので、利回り10%の案件に投資した場合でも、実際の利回りは約8%になることも理解しておきましょう。

高利回りの案件に投資するリスク

投資家への利回りが高いということは、融資を受ける事業者への融資金利はさらに高いということです。すると、融資を受ける事業者が返済しきれなくなるリスクが高まります。日本のソーシャルレンディング会社が提供する案件では、貸し倒れが発生したケースは非常に少ないのですが、返済の遅延はたびたび起きています。
さらに、利回りが低い案件は不動産担保を設定していることが多く、選定する不動産担保の信頼性も高いのですが、高利回りの案件を提供する会社は、融資する事業者の債券や運営権を担保に設定しているため、貸し倒れが起きた際の資金回収の確実性が低いという懸念もあります。

加えて、高利回り=長期運用案件が多いこともリスクのひとつと言えます。長期運用案件は、必然的に運用期間中の融資先の倒産や事業失敗の可能性が高くなりますし、運用期間中は投資した資金を引き出せないため、いざという時に自分のお金が使えなくなる可能性も考えに入れておきましょう。

利回りの高さはリスクの高さと比例する

ソーシャルレンディングを中心に、様々な投資方法と利回りについて解説してきました。高利回りの案件は、効率よく資産を増やせそうなことから素人だと安易に飛びついてしまいがちですが、利益が大きい案件は、それだけのリスクを管理しなければいけないということが分かりましたね。

しかし、そんな中でも滅多に貸し倒れが起きないことや、価格変動リスクが小さいことから、ソーシャルレンディングは非常に稀有で魅力的な金融商品だと言えます。利回りについてしっかり学んだことをきっかけに、将来に向けて長期的な資産運用を始めてみてはいかがでしょうか?

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