今回はソーシャルレンディングの魅力とリスクについて情報をまとめました。投資として、リターンだけでなくリスクもしっかりと把握して案件を選ばなければいけません。さまざまな投資方法がある中で、ソーシャルレンディングが注目されているのにはどのような魅力があるからなのか、見ていきましょう。

ソーシャルレンディングの魅力

お金を貸したい投資家と借りたい企業を繋げるソーシャルレンディング。投資家から注目されるようになったのは、利回りや運用パフォーマンスに魅力があるからです。

利回りの高さ

ソーシャルレンディングの魅力を語る上で、利回りの高さは欠かせません。各事業者やファンドごとに差はあるものの、年間利回りの低いもので3.2%、高いものは10%を超える案件も見かけます。銀行などの定期預金が0.15%程度だと考えると3年間利用するだけでも、利益に大きな差がでるでしょう。

元金 1年後 2年後 3年後
ソーシャルレンディング
(年利10%)
100,000 110,000 121,000 133,100
定期預金
(年利0.15%
100,000 100,150 100,300 100,450

毎月配当金がもらえる

ソーシャルレンディングで得られる利益は、毎月の配当金です。貸し倒れ(デフォルト)を起こしたり、何かトラブルが発生したりしない限りは原則毎月配当金を受け取ることができます。投資に使った元本は案件ごとに決められた期間の満了後に償還されます。戻ってきた元本と毎月の配当金を合わせて次の投資を繰り返すことで、複利効果も期待できます。

短期~長期まで運用期間を選べる

案件ごとの運用期間は3ヶ月~1年程度に設定されているのが一般的です。中には3年といった長期案件や、1ヶ月の短期案件も見かけるので、組み合わせによっては満期の時期を分散することもできるでしょう。上手くいくと毎月償還された資金を、次の投資に使う流れが作れます。ただし、早期償還が発生することも多いため、自分の決めたスケジュールどおりに管理するのは難しいかもしれません。

価格変動がない安定したパフォーマンス

株式投資やFXなどの投資では、経済動向や政治的要因、異常気象などの影響によってその価格は日々変化しています。その動きを予想するため、情報を集める必要があり、兼業投資家には大きな負担となるケースもあるでしょう。一方で、ソーシャルレンディングでは融資した企業からの返済の分配金が利益になります。返済金が変動することはないため、ソーシャルレンディングでは価格変動は発生しません。貸し倒れなどのトラブルがない限りは元本の減少はあまりないと言えるでしょう。

時間と能力に依存しない

ソーシャルレンディングは、運用期間中に資金を引き出すことができません。これはデメリットにもなりますが、一度投資してしまえば情勢の確認や資金の流れを確認する必要がない、ほったらかしでもいい状態にもなります。貸し倒れを避けるために案件や事業者を精査する知識や経験は必要となりますが、ほかの投資と比べ手間はかからないでしょう。そうした、投資初心者も慣れている方でも大きな差がつきにくい点もソーシャルレンディングの魅力になります。

磁石とドル

ソーシャルレンディングはなぜ利回りを高くできるのか?

ソーシャルレンディングの魅力として、始めに利回りの高さをご紹介しました。定期預金や国債と比べると、かなり魅力的な数字を投資家に提案しています。ソーシャルレンディングでは、なぜ高い利回りを実現できているのでしょうか。その仕組みを解説します。

投資家よりも高い金利を支払う企業

ソーシャルレンディングは株式などと違い、投資した資金を借入れる企業が存在します。その企業からの返済金が投資家の配当額になる仕組みです。借手企業の支払いは投資家への配当総額だけでなく事業者の利益分も含まれます。つまり、ソーシャルレンディングを利用して資金を借入れる企業は、投資家に提示されている利回りよりも高い金利で融資契約を結んでいるのです。

投資家 ←投資契約→
(利回り5%)
ソーシャルレンディング
事業者
←融資契約→
(金利10%)
借入れ企業

低金利で借入れのできる銀行ではなく、ソーシャルレンディングで資金を調達しているのには、事情により銀行から融資を受けられない企業が存在するからです。
「銀行から借入れできない企業に融資をしている。」ここだけ見ると不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。ですが、財務状況が健全でも銀行の融資審査基準に通らない企業は実は多く存在しています。創業年数が浅い、借入期間が短いといった理由で融資を断られるケースもあり、審査のハードルが高いと言えます。一方で、ソーシャルレンディングでは銀行で審査に通りにくい、短期間融資や少額融資にも対応できるほか、企業ではなくプロジェクトを評価するといった柔軟な審査を行っています。そのため、金利が高くても高収益を期待できる、企業やプロジェクトの資金集めとして利用されている背景があるのです。

高収益のプロジェクトが対象

ソーシャルレンディング事業者が重要視しているのは、融資したお金が返済されるかです。そのため、担保や保証で返済できる可能性があれば、借手の業績や融資期間、資金の使用用途については柔軟に対応しています。ソーシャルレンディング事業者のサイトをいくつか見てみるとわかると思いますが、ほとんどの事業者が不動産を扱っている企業に融資しています。不動産は利益をあげやすいビジネスのため、日本のソーシャルレンディングでは人気が高く、案件数が増加傾向にあります。また不動産であれば、担保を確保できるのも、人気の要因の一つとなっています。
今回は不動産を例にあげていますが、メガソーラーを始めとするエネルギー事業も下落リスクはあるものの安定的な利益が確保できる案件です。ソーシャルレンディングでは企業の業績よりも、こうした高収益に期待ができるプロジェクトに融資することで魅力的な利回りを提供しています。

ペンとチャート

ソーシャルレンディングを利用する際の注意点

投資であるからにはリスクもあります。価格変動による元本割れの心配はありませんが、それはソーシャルレンディング事業者や借手の運営状況が安定しているからこそです。ソーシャルレンディングでは、どのようなリスクがあるのか確認しておきましょう。

デフォルトリスク

審査が柔軟だといっても、支払い能力があるかはどの事業者も慎重に審査しています。それでも起こらないと言い切れないのが貸し倒れ(デフォルト)です。企業に貸付という性質上、融資先の財政状況など想定外の事態で返済ができなくなると、その案件はデフォルトとなります。
ソーシャルレンディングでは投資家と事業者の間に匿名組合契約を結ぶため、融資先の財政状況を事前に確認することはできません。そのためデフォルトリスクに関しては、予想が困難なリスクです。投資家は担保や保証の内容を確認して、デフォルトが発生しても元本を回収できるか判断しましょう。

事業者リスク

匿名組合契約を結ぶソーシャルレンディングの性質上、ソーシャルレンディング事業者の信頼性もリスクになりえます。ソーシャルレンディングは比較的新しい投資手法のため、法整備も十分と言えません。調べてみるとすぐわかりますが、運営状況に問題があり行政処分を受けている事業者もあります。ソーシャルレンディングを始める上で、事業者の信頼性や運営能力を確認・検討することは必要になっていきます。
信頼性を確認するためには、取締役の経歴、株主構成、ファンドが丁寧に説明されているかなどを確認してください。新しい事業者の場合は、実績の情報がまだないケースもあります。そのため、代表者の知識やバックについている株主の信頼性で判断します。株主や親会社のサイトもチェックし、信頼性を確認しましょう。
必要最小限の情報を掲示している事業者よりも、匿名化という制約を守りながら、多くの情報を提供しようと努力している事業者のほうが信頼できます。また、問い合わせをして対応を見る方法でも経営体制を確認できます。問い合わせても反応がない事業者や、問い合わせフォームが見つけにくい事業者は、問題が起きた際にしっかりと対応できるのか不安になって当然です。顧客に対して誠実に向き合えているのか、運営体制として妥当なのか考えてみることも大切です。

運用期間変更のリスク

早期償還・返済遅延はどの事業者でも発生しています。特に早期償還はよくあります。想定より早く元本が返金されるので、当初の投資計画から変更を余儀なくされますが、どの事業者も頻繁にファンドの募集をしているので、再投資先はすぐ見つかると思います。
延滞もデフォルトと比較すると、多く発生しています。ほとんどの場合は、案件の一部や途中から返済遅延になる形です。予定していた期日に資金が返済されないため、投資計画やライフプランに支障をおよぼすことになります。基本的に期日が遅れても返済されていますが、そのまま不良債権化したりデフォルトとなったりする可能性もあるので事業者のお知らせを必ず確認しましょう。

実際のトラブル事例としては、2018年7月頃にSBIソーシャルレンディングで借手企業からの返済遅延が発生しています。SBIソーシャルレンディングでは同月から回収対応を始め、2018年9月には合計552,000,000円を回収したと発表がありました。このように、万が一デフォルトが発生しても投資家への保証があるかはソーシャルレンディング投資における重要なポイントとなります。

関連記事:SBIソーシャルレンディングが延滞債権の一部を回収

ソーシャルレンディングの魅力とリスク

今回はソーシャルレンディングの魅力とリスクをご紹介しました。利回りが魅力のソーシャルレンディングですが、手間がかからず知識も比較的必要ない点は投資初心者や兼業投資家にとっても嬉しい点ではないでしょうか。当然リスクもあるので、事業者とファンドの情報をしっかりと精査して投資を始めていきましょう。

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